100分de名著『星の王子さま 』
トリートメント・コーディネーターの小林です。
先日、帰宅後にたまたまテレビを付けたら、『100分de名著』という番組でサン=テグジュペリの
『星の王子さま』が放送されていました。
この番組は名著を25分で4回の放送に分けて紐解く内容になります。
過去には宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』なども放送されました。
さて、『星の王子さま』ですが、お読みになったことはありますか?
フランスの作家アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(一九〇〇〜四四)が第二次世界大戦中の
一九四三年に、亡命先のアメリカで発表した子ども向けの物語です。
作者自身が描いた四十枚ほどの挿絵も入っていて、目にも楽しい作品になっています。
もともとはフランス語なのですが、英語はもとより西欧、アフリカの諸言語また日本や韓国など
アジア各国の言語にも翻訳されていて、現在は世界中に読者がいると言っても過言ではありません。
原題は「Le Petit Prince」で「小さな王子」という意味ですが、内藤濯氏が一九五三年(昭和二十八)に
岩波書店から翻訳を出されたときに、物語の内容を加味して『星の王子さま』という夢のあるタイトルに
されました。
砂漠に不時着した飛行機のパイロットが、遠い小さな星から来た少年に出会う不思議な物語
「星の王子さま」。
人間の絆や愛の意味を問うた哲学的な童話として名高く、子どもだけでなく大人にも人気があり、
多くの人を魅了してきました。
その出版部数は日本だけで600万部、全世界では8000万部にものぼるといいます。
著者は、フランス人作家のサン=テグジュペリ(1900-1944)。
青年時代、飛行機でサハラ砂漠を縦断し、郵便を届ける仕事をしていました。
当時の飛行機はよく故障したため、編隊を組んで飛行し、不時着した仲間を助けることになっていました。
僻地には中継基地があり、そこでは一人で飛行場を守らなくてはなりませんでした。
砂漠の部族と親しくなり、運航に協力してもらうことも大事な任務だったそうです。
こうした環境で、サン=テグジュペリは、孤独と死の恐怖、人の絆の有り難さを知ります。
星の王子さまは、こうしたサン=テグジュペリの経験をもとに執筆されました。
飛行機のパイロットと星の王子さまの友情を通して、人の絆とは何かを訴えたかったのでしょう。
物語では、大人と子どもの考え方の違いが語られます。大人は、目に見える表面的なことで
物事を判断しがちです。どんな服を着ているか、財産はどうか、データはどうなっているのか。
しかし子どもは違います。子どもは相手の姿形に左右されません。子どもにとって大事なのは、
心で感じたこと、それだけです。
子どもの心には大人への大切な教訓が秘められています。絆や愛はかけがえのないものですが、目には
見えません。つまり、心で感じるしかないのです。だから目に見えるものしか理解しないような、
間違った心を持つ大人になってはなりません。そうした願いを物語に込め、サン=テグジュペリは
兵役に志願します。そしてナチスドイツとの戦闘に赴き、偵察飛行中に帰らぬ人となりました。
絆とは、愛とは、幸福とは何か。番組では「星の王子さま」を通して、サン=テグジュペリが残した
メッセージをひもといていきます。
続きは次回までのお楽しみにしましょう。
川崎区 小児歯科専門医のいる ひやま歯科クリニック
トリートメント・コーディネーターの小林でした。