シーツのせんたく
お知らせ
ひやま歯科クリニックでは14日まで夏期休暇をいただいております。
15日より通常通り診療となりますので、宜しくお願い致します。
夏休み2日目、私は部屋の掃除をしていると、こんなものが出てきました。
これは暮らしの手帖社から出版された雑誌です。
この、「すてきなあなたに」は昭和44年7月から始まった単行本の中から、抜粋したエッセーが
掲載されています。
平澤まりこさんのイラストも心温まります。
今回は、こんなエッセーをご紹介します。
「シーツのせんたく」
このあいだ、おたがい大笑いしたことがありました。
もめん地は肌ざわりはいいけれど、おせんたくのあとのアイロンがけが大仕事、
特にもめんのシーツは力がいって大変と、意見が一致したのです。
そのとき私は「シーツを洗ったら、干す前に、ていねいに手でたたいてから干します。
そうするとシワがそんなにできず、アイロンがけがいりません。一度ためしてごらんになっては」と
いいました。
少したってから、またその方にお会いしたら、早速、シーツを手のひらでたたいてみたけれど、
あんなに大変なことをするのなら、アイロンをかけたほうがいいと思うわ、といわれました。
若い人なので、はっきり言いきるのです。
大変って、どんなふうになさったの、とうかがって、それから大笑いになったのでした。
その方は、洗ったまま竿にシーツをかけて、そのままはじから、手でぱんぱんと、
手が痛くて赤くなるほどたたかれたそうで、シワも、思ったほどとれなかったと、
恥ずかしそうにいわれるのでした。
洗い上げたシーツは、シワをのばしながら、まず二つにたたんで、それをまた二つに折り、
それをまた、たたんで、できるだけ小さくしてから、両の手のひらで、ぱんぱんぱんぱんとたたくと、
たたく拍子に生地のシワがしだいになくなり、すっかり伸びます。
その上、のりづけでもしてあれば、竿なりロープにかけたときは、ざっとアイロンをかけた程度に、
シワはきれいになっているはずと、説明をしなおしました。
いつもしていることなので、ていねいに説明しなかった私と、早のみこみの若い人との間に起こった
事件でした。
…という内容です。
私は、最後の「いつもしていることなので、ていねいに説明しなかった私」という部分に自分を重ねました。
“伝えた”と“伝わった”では大きな違いです。
“伝わった気でいないか”に気を付けて、患者様ともっともっとコミュニケーションをとりたいと思います。
川崎区 小児歯科専門医のいる ひやま歯科クリニック
受付の小林でした。